INTERVIEW

2015.04.05

「エンタミクス」5月号掲載インタビュー

※この記事は「エンタミクス」5月号に掲載されたものです。

インタビュー:本兌 有(翻訳)、杉 ライカ(翻訳)

「全力で動く凄いモノを!」と頼みました

――原作との出会いを教えてください。
翻訳チーム(以下、翻訳) 最初の出会いは、原作者2人が作ったホチキス止めの同人誌だったわけですが、全てがヤバかったですね。
ニンジャ、サイバーパンク、スシ、カラテ、ネオサイタマ……これは好きな要素しか入っていないぞと、たいへん興奮しました。

――翻訳版をTwitterで連載しようと思われた理由は?
翻訳 原作が滅茶苦茶面白いので、日本語で紹介したら絶対に流行ると思い、’99年にファンサイトを作りました。
しかし当時はインターネット黎明期で、個人の発信力だけでは思うようには広がりませんでした。
やがて’10年代に入りTwitterが登場し、試してみたら予想以上に面白かったので、そこで連載をスタートしたわけです。
最初こそ浸透しませんでしたが、フォロワー60人が400人、4000人、4万人となり……今でも増え続けています。

――忍殺語と呼ばれる独特の翻訳スタイルが、魅力になってますね。
翻訳 原作の持つ面白みや意図的な違和感をなるべく残したいなと。
例えば“Menpo”という単語を目にした時に我々の脳髄に走るクールなエキゾチック感が、普通に“面頰”という日本語にしてしまうと出ないので、“メンポ”とするわけです。
“Karate”も決して“空手”ではない。武道としての空手と、クンフー的な鍛錬概念と、フォースと、その他色々なものが“カラテ”という単語で表現されているんです。

――アニメ化が決定した際に、TRIGGERさんにリクエストした事は?
翻訳 強調しておくべきは、あくまで原作小説を基にしたアニメ化であるということです。
原作者からは「メディアミックスは多様性を重点し、デザインや表現手段を決して固定化させないように。
そしてハリウッド実写でやればいいことは、アニメでやる必要はない」という希望を受けたので、
その旨と共に、翻訳チームとしては「とにかく全力で動く凄いモノを作ってください」と伝えました。

――原作ファンと、初めて触れるかたへ観どころを教えてください。
翻訳 原作ファンの方は、今回は第一部『ネオサイタマ炎上』編のアニメ化なので、二部でも三部でもないネオサイタマのアトモスフィアを、
そして皆さんが初めて第一部を読んだ時のセンスオブワンダーを、新たな形で楽しんでもらえればと思います。
初体験されるかたには、あまり小難しいことを考えずに、ビールとドリトスでも買ってきて、気軽にニンジャスレイヤーの世界を楽しんでもらえれば嬉しいです(笑)。

一覧へ戻る

PAGE TOP